30年経っても「うわ~、ありそう」と思う普遍性

向田邦子さんの名作「阿修羅のごとく」を改めて読んでみました。
50歳の長女を筆頭にした4姉妹を軸にした物語で、
70代の父に愛人がいたことが発覚し、
そこから各々の家庭に起こるさまざまな人間ドラマが
ドロドロと描かれています。

これがテレビドラマだったことはなんとなく覚えていて、
何よりもあの独特のテーマ曲(トルコの軍楽隊の音楽だそうです)が
とても印象に残っています。

音楽しか印象に残っていないというのもそのはずで、
このドラマが放送されたのは1979年。
私がまだ小学生の頃だったのです。
話の筋を覚えていないのも無理ないです……。
その後も舞台化や映画化されている、
普遍的な名作です。

んで、改めて読んでみて思ったのですが。
やっぱり、普遍的な名作というのは、
いつ読んでも古さを感じさせないものなのですわ。

だってアナタ、
この作品が書かれてから30年以上も経っているのに、
この本を読むと
「うわ~!今もどこかの家で、こういう会話がありそう……」
って思うほどリアリティがありすぎなのですよ。

向田邦子さんという作家の
人間観察力というか、普遍性を見抜く力というか、
本当に素晴らしい。

主軸となる4姉妹だけではなく、
彼女たちの旦那や不倫相手や子供たちなど、
いろんな人たちが出てくるので、
読む人の性別や年代が違っても、
誰かひとりの登場人物には感情移入ができるはず。

男性もぜひ、読んでみてください。
女って、こわいですよ~。( ̄▽ ̄)
阿修羅のごとく(文春文庫)