テレビの取材、雑誌の取材

ライターとしてのアタシの仕事は、
取材をして原稿を書くことです。
「取材」といっても、
アタシの場合は人から話を聴くインタビューがメイン。

ひとくちに「話を聴く」といっても、
取材する側によって方法はいろいろあるんだなぁ、
と思った出来事があります。

このところ、とある雑誌の取材が多いアタシ。
最近、一緒に取材に行くようになった
編集さんがちょっと変わった人で、
アタシとは全く違う話の聴き方なのに気が付きました。

どんな話の聴き方かというと、
その編集さんはこのお仕事歴が長いので、
取材先やその業界についての知識が豊富なのね。
だから、先方に質問する時
「それは○○なんですよね?
 △△という書き方でいいですか?」
という感じで、
相手に「イエス」「ノー」を答えさせる方法。

しかも、相手の話が終わらないうちに、
畳みかけるように次の質問や
自分の言葉を出してくる。

実は
「イエス」「ノー」を答えさせる方法も、
畳みかけるように質問することも、
アタシはテレビの報道部時代、先輩から
「いい話を聴きたければゼッタイにやってはいけない」
って言われたことなの。

だから、アタシの取材方法は、
この編集者さんとは真逆。
もちろん、ある程度
先方についての知識は入れていくけれど、
あえて知らないふりをして
「そうなんですか!教えてください」
って言って、相手の言葉を引き出すの。

もし、相手が答えにくそうにしていても、
ちょっと待ってあげて、
間を空けると、話してくれたりする。

相手から言葉を引き出したい時は、
焦ったり畳みかけたりするのは逆効果なのよね。

でも考えてみたら、
これはテレビの取材方法なのかもしれない。
なぜって、テレビは映像なので、
「その人が実際にその言葉を喋っている映像」
を撮るのが取材なの。

だから、どうしても
先方から喋ってもらう必要があるのよね。

雑誌や新聞の場合は活字だから、
先方が言っていることと合っていれば
一字一句その人が言った
全く同じ言葉じゃなくてもいいのかも。

だから雑誌の編集さんは、
あんな質問の仕方ができるのかなぁ。

だけど、アタシの取材方法は、
実は取材だけじゃなく、
人間関係をよくするためにも使える手なの。

だって、畳みかけて話をされると、イヤでしょ?
でも、じっくり話を聴いてくれる人って、
信頼できる感じがするのよね。

テレビの取材も雑誌の取材も、
信頼されないと、うまくいかない
と思うんだけどなぁ。
ベテランの編集さんだから、きっと今までは
それで生きてこれたんだろうなぁ・・・。( ̄▽ ̄)