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見慣れた風景を、違う視点から

いつも見慣れているはずなのに、ちょっと視点を変えると、全然違うことがある。

 

例えば、この写真。

 

東京・新宿の書店といえば、多くの人が知っているあるビルである。

 

そう、紀伊國屋書店の新宿本店だ。

 

このビルの斜め向かいのビル内にノマドスペースがあり、以前から気になっていたので入ったところ、思いがけず、こんな風景に出会った。

 

ちょうど現在、紀伊國屋書店の隣りのビルが建て替え工事中なので、紀伊國屋ビルの側面が見えている。これは珍しいかも、と思って、何枚も写真を撮った。

 

普段、私たちは、この写真でいうところの右斜め下、つまりこのビルの正面から、よくこのビルを見上げている。

 

そのビルを、ほとんど見下ろせることができたことに、私はちょっとびっくりした。

 

でも、その場にいた人たちにとっては、そんなに珍しい風景には見えないのだろう。誰も写真を撮らないし、ジーっと窓の外を見ている人もいなかった。みんな、忙しそうにパソコンに向かっていた。

 

けれど、誰も注目していなかったからこそ、私は思ったことがある。

 

あ、これが「気づく」ということなんだと。私なりの視点、私なりの感性って、こういうことなんだと、そう思った。

 

「アリの視点、鳥の視点」と、よく言われるが、いつも見慣れた風景、見慣れたモノやコトも、視点を変えれば、全く違うものに見える。そして、それが新しいアイデアのタネになる。

 

偶然に出会ったこの風景が、改めて、それを教えてくれた気がする。