· 

沖縄人が教えてくれた、日本の美しさ・秋

東京は、ようやくほんの少し、朝夕に秋の気配を感じるようになりました。写真は先日、取材の途中で見かけたハナミズキ。赤い実を付けています。

 

こんな当たり前の風景に目を向けるようになったのは、私が沖縄に住んでいたからだと思います。

 

沖縄の友だちから言われた言葉によって、「だから、日本は美しいのね」と改めて気づかされたことがあります。そのうちのひとつが「紅葉を見てみたい」です。

 

亜熱帯の沖縄には、内地のような四季がありません。10月の今だって、泳ごうと思えば泳げるし、12月のクリスマス時期に半袖で過ごせる日もあります。内地とは気候が違うんですね。

 

だから、必然的に生えている木や草も違います。ほとんどが常緑樹なので、年がら年中青々としています。1~2月頃に少し気温が下がると、葉が茶色になって枯れるような種類の木はありますが、キレイな赤や黄色にはなりません。

 

なんでも、木々が紅葉するのは、一定の気温(8度とか10度とか)まで下がるからなのだそうです。沖縄では、そんな気温まで下がったら、もう大寒波です!!

 

一方で内地では、今くらいの時期から「桜前線」ならぬ「紅葉前線」が北から南へ進んできます。山々が赤や黄色に色づいて、秋晴れの青空をバックに紅葉狩りをする人たちのニュース映像が、沖縄でも放送されるわけです。その時期になる度に、沖縄人の友人たちは「本物の紅葉を見てみたいさ~」と言うのでした。

 

山形出身の私は、山々に囲まれた盆地で生まれ育ちました。だから、山が身近にあるのが当たり前すぎて、全くありがたいと思ったことがありませんでした。

 

あ、ありがたいと思ったこと、ありました!春の山菜と、秋のきのこです。私は両親に連れられて、よく山菜取りときのこ狩りに行っていましたから。

 

でも、それ以外は、本当に近くに山があることが当たり前。秋の紅葉も、沖縄人から言われるまでは「秋になったら山が赤くなるのは当たり前」と思っていました。

 

沖縄に住んでいなかったら、沖縄人に出会っていなかったら、山々の四季の美しさには気づかないままだったかもしれません。春の芽吹きの色や、初夏の若葉、夏の深い緑、秋の紅葉、晩秋の枯葉色、そして冬に雪が降り、真っ白になった山…。

 

内地での当たり前を「当たり前じゃないんだよ」と教えてくれたのは、遠く離れた沖縄。沖縄に住んだからこそ気づいたことが、まだまだたくさんあります。その「気づき」も、これから少しずつ、言葉にしていこうと思っています。