沖縄は、県内なのに飛行機や船でなければたどり着けない場所がたくさんあります。
以前、私が勤務していたのは沖縄の放送局で、県内を取材することがほとんどでしたが、県内取材にもかかわらず、飛行機を使って出張ということも珍しくありませんでした。
この離島への取材というのが、なかなか大変。一泊二日程度でも、ものすごく大荷物になるのです。
沖縄本島や宮古島、石垣島のように大きな島には、生活に必要なものはほとんどそろっています。だから、ごく普通の旅行なら、現地調達できるものもたくさんあります。
でも、テレビの機材は全てがプロ仕様。何かひとつでも不足すれば、たちまち取材はできなくなってしまいます。しかも、離島の場合には、忘れ物をしても「車で取りに帰る」「誰かに届けてもらう」ということができないのです。
中でも大事なのは、バッテリーとバッテリーチャージャーです。
スマホが手放せない時代ですから、スマホのバッテリーがなくなった時のことを思い出していただければいいのですが、バッテリーがない、もしくはチャージできないというのは、本当に何もできなくなります。テレビの取材なのに、カメラが回らないという事態になりかねません。
実際、先輩から「離島に行ったのに、バッテリーチャージャーを忘れた人がいて、2日目は取材ができずに帰ってきた」というこわ~い話を聞いたことがあります。
ですから、離島取材の前には、機材を準備するカメラマンとカメラアシスタントは、かなり入念に忘れ物がないかをチェックしていました。「バッテリーとバッテリーチャージャーだけは何があってもゼッタイに忘れるな!」と、カメラマンがアシスタントにきつ~く言っていたのを、今でも覚えています。
幸いにも私自身は、テレビ局で仕事をしていた時、バッテリーやバッテリーチャージャーを忘れたという取材の経験はありません。でも、私はライターになった今でも、あの時の経験がしみついていて、出張でもないのに、しかも今は東京を拠点に仕事をしているのに、取材の時にはパソコンやICレコーダーのバッテリーとバッテリーチャージャーを確認するクセがついています。