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ロストジェネレーションですが、ナニか?

先日、朝日新聞さんにこんな記事が掲載されました。

ロスジェネ、置き去りの20年 いま再び注目される訳

 

「ロスジェネ=ロストジェネレーション」というのは、日本では次のような世代のことですね。

 

『日本のバブル経済崩壊後の超就職難の時代に学校を卒業し、就職活動をした世代。昭和40年代後半から50年代前半の生まれ。確かな就職先がなく、アルバイトや派遣社員などで職を転々とする人が多く出た』(デジタル大辞泉より)

 

ちなみに、前述で「日本では」と書いたのは、ロストジェネレーションの本来の意味は、違うからです。

 

『第一次大戦への従軍体験から、戦後、社会のあらゆる既成概念に疑念を示し、虚無的傾向のうちに新たな生き方を追求した米国の作家の一群。ヘミングウェイ、ドス=パソス、フィッツジェラルドら。女流小説家G=スタインの命名。失われた世代』(デジタル大辞泉より)

 

ですが、このブログでは日本のロストジェネレーションについて書きます。それは、私がまさにその世代だから。

「確かな就職先がなく、アルバイトや派遣社員などで職を転々とする人が多く出た」とありますが、これって、そんなにダメなんでしょうか?

 

私が大学を卒業するはずだったのは1994年。「はずだった」というのは、希望の職に就けなかったから、わざと1年留年したんです。それだけ「新卒じゃないと、就職活動がかなり不利」という、今でもまことしやかに言われている言葉を信じていたのです。

 

ま、1995年になっても状況は変わらず、それどころか悪化していたので、私は就職を諦め、一度はアルバイトで稼いで生活をしていました。いわゆるフリーターです。

 

その後、私は「フリーター」から「フリーランス」になり、イベントや結婚式の司会、テレビやラジオのリポーターとして活動しました。フリーの活動だけでは食べていけず、日雇いのアルバイトをしていた時期もあります。

 

さらにその後、派遣社員として働いたこともありますし、一時的にですが、正社員になったこともあります。この時は、ほんの少しですが、ボーナスももらいました。

 

でも、「社員」という肩書をもらっても、全然シアワセじゃなかったです。

 

私は40歳になる年に、契約社員として飲食店に勤務していました。それが2011年。東日本大震災が発生し、日本中が自粛ムードに包まれ、私が勤務していた店も売上が激減。店からクビを言い渡されました。

 

つまり私は、40歳で無職になりました。

 

それから再びフリーランスとして活動を始め、最初の数年間はかなりツラかったし、今でもたくさん稼げているかと言われれば、そうでもありません。フリーランスは自営業なので、有給休暇もないし、当然、ボーナスもありません。

 

でも、「社員」という肩書があった時よりも、今の方がシアワセです。

 

好きなことを仕事にしているから、仕事が楽しい。平日に休めることもあるから、買物も映画も旅行も、混雑しない時に行ける。それに、基本的には何をするのもひとりなので、会社内の人間関係でストレスを抱えることもない。

 

確かに、大企業に勤務する人たちよりも、はるかに生涯賃金は低いです。でも、大企業に勤務している人って、そんなにシアワセですか?生涯賃金をたくさんもらっている人って、シアワセですか?

 

もう一度聞きますけど、「確かな就職先がなく、アルバイトや派遣社員などで職を転々とする人が多く出た」とありますが、これって、そんなにダメなんでしょうか?

 

会社が守ってくれる時代は、もうとっくの昔に終わっています。それにしがみついているのは、バブル経済が華やかなりし頃のオジサンたちです。グローバル化がもっと進めば、そういうオジサンたちが「世界では通用しない」「使えない」と言われるでしょう。いや、もうすでに「使えない」と言われています。

 

私は会社に守られることなく、サバイバルせざるを得なかった。だから、強くなれたし、強くならざるを得なかった。

 

私のように非正規で働き続けてくると「職を転々と」と言われますけど、グローバル化が進んだ今、世界基準でいえば転職は当たり前のことです。終身雇用だの、年功序列だのと言っている方が、時代遅れじゃありません??