· 

年収が高ければ、幸せなのだろうか?

仕事では、絶対にお会いしないような方と、一緒に飲みに行くことがあります。いわゆる飲み友だちの一人で、その方は大企業の管理職(結構、重要なポストらしい)のオジサマです。

 

日本の大企業といえば、最近では某自動車メーカーの社長さんが「終身雇用はムリ」という旨の発言をしていらして、話題になっていますね。

 

自動車業界に限らず、日本の大企業は吸収合併やM&Aをしたりされたり、気づけば親会社が中国や台湾の会社になっていたりして、グローバル化が進んでいます。

 

私の飲み友だちのオジサマの会社も、やはりかなりグローバル化が進んでいるらしく、日本の会社なのに仕事はほぼ英語。同じ部署で仕事をしている人たちも外国人が圧倒的に多いのだそうです。

 

就職した当初は、終身雇用が当たり前だったそうで、同期入社は300人。オジサマは、入社から20年以上、一度も転職したことはなく、気づけば同期は10人余りしか残っていないとか…。

 

そのオジサマは管理職なので、以前はリストラする側の役目になったことがあるらしく、「オレだって、クビにしたくてしてるわけじゃない。心の中は、本当に申し訳なく思っていた。あのストレスは大変なものだった」と、飲みながら振り返っていることがあります。あの時以来、今でも不眠症の症状があるとも仰っていました。

 

…大企業の管理職って、大変だなぁ…。

 

さすが、大企業にお勤めだけあって、年収はかなり高いらしく、「買物は好きだけど、値段を見たことがなくて。いつも好きなものをパッと買っちゃうんだ」と仰っているし、いつもおごっていただいているのですが、お金があるから幸せ、っていうわけでもないみたいです。お話を聞く度に、本当に仕事が大変なんだなぁ、と思います。

 

私は個人事業主なので、年収は自分がようやく生活できる程度。でも、自分の好きな仕事をしているので、不眠症になるほどのストレスはありません。原稿の締め切りに間に合いそうになくて、遅くまで仕事をしなきゃいけなくて眠れない、ってことはありますがね(笑)。

 

私はライターという仕事柄、いろんな方にお会いしているので、それなりにいろんな仕事のことを知っているつもりでした。でも、考えてみれば、私がお会いするみなさんは、中小企業の方が多いし、仕事上の立場でお話をしてくれていることが多いです。

 

前述のオジサマのように、大企業勤務ならではの「精神的な苦労」を伺うことは、これまでなかったような気がします。ま、こんなお話は、おそらく取材を申し込んでもムリなので、プライベートじゃないと聞けないですよね。

 

「人にはそれぞれ役割がある」と、よく言われます。このオジサマの話を聞く度に、「私には大企業の管理職はゼッタイにムリ!!!」と思うのであります。私の役割は、やっぱりライターなんだなぁ。