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私がショートストーリーを書く理由

私、ライターやってます。文章を書くことが仕事です。

 

普段は、出版社さんやウェブサイトの制作会社さんからご依頼を受けたり、企業の広報担当者さんからご依頼を受けたりして、雑誌やウェブの記事を書いています。「誰かの話を聞いて」その取材した方の言葉を書くライターです。

 

そんな私が、2018年の夏から、ブログにショートストーリーを書き始めました。ブログに「美味と物語」とタイトルをつけています。また、今年の夏からは、そこから派生して「和食の料理を英語でなんていう?」という、こちらもショートストーリーを書いています。

 

これらのショートストーリーは、ほとんどが(事実をもとにした)フィクションです。

 

普段の仕事は取材記事なのに、なぜブログには、関連のなさそうなショートストーリーを書いているのか?不思議に思う方もいるかもしれません。

 

その理由は2つ。ひとつは、私が書くブログを「情報」としてというよりも「娯楽」として楽しんでもらえるようにしたいと思ったから。

 

ショートストーリーを書くようになる以前も、ブログは何年も書いていました。その時のブログには、なぜ私がライターになったかとか、文章の伝え方のコツとか、私は司会者でもあるので、司会する時の想いみたいなことを書いていたこともあります。読んだ人が直接的に「ああ、この人、ちゃんと仕事をしてるのね」とわかるようなブログでした。

 

いわゆるビジネス本とかにある、ハウツーとか、ノウハウを書いたものですね。でも、ある時、「世の中に、ハウツー的な情報って、あふれてるなぁ」と思ったんです。そういう情報を書く人って、私じゃなくてもいっぱいいるな、って。

 

それで、直接的な情報ではなく、読んで楽しい、娯楽としての文章を書こうと。そういう文章を書くのでも、ある程度テーマを絞った方が書きやすいし、読んでくれる人にも伝わりやすいんじゃないかと。で、テーマを絞る時に、「私が好きなことをテーマにすれば、きっと続くんじゃないかな」と考えて思いついたのが、「おいしいもの」でした。

 

私、おいしいもの(特にお酒がらみ)が大好きなので、それと、仕事柄身に付いた「人間観察」や「人の話を聞くチカラ」を組み合わせて、ショートストーリーを書くことにしたんです。

 

で、2つめの理由は、「ショートストーリーも書けるライター」というのが、私のライターとしての付加価値になると思ったから。

 

前述のように、ハウツー本やノウハウ本というのは、世の中にあふれています。つまり「情報」としての文章を書く人は、ライターに限らず、コンサルタントさんや研究職の方など、たっっっくさんいるんですね。

 

だから、その中で生き残っていくためには、何らかの付加価値をつけなくちゃいけません。

 

例えばですけど、冒頭の写真。とあるカフェで飲んだカフェオレです。今の時代、「おいしいカフェオレ飲みたい」というだけなら、コンビニで150円くらいで、十分においしいカフェオレが飲めます。

 

だけど、このカフェオレは、ガラスのコーヒーカップに入っていて、木のテーブルにのっている感じがナチュラルでステキ。このカフェは、木目を活かしたインテリアで、ピアノなんかも置いてあって、とても雰囲気のいい場所でした。だから、価格は500円以上でしたけど、私はとても満足しました。

 

ライターにも、同じことがいえると思うんですね。私のような、誰かを取材して原稿を書くというライターは、たっっっくさんいます。しかも、若い人たちがどんどんライターを目指して参入してくる。

 

当然ながら、私のように一定の経験があって、ある程度の原稿料をいただくライターよりも、若い人の方が原稿料は安価です。客観的な事実や情報だけを書くのなら、ある程度のノウハウがあれば文章は書けちゃうので、若くて原稿料が安価な方に、仕事を頼む人もいるでしょう。

 

これを前述のカフェオレの例でいえば、安価なライターは「コンビニのカフェオレ」で、私のような経験者は「カフェのカフェオレ」です。

 

マジメな取材原稿という結果だけ見れば、ライターの違いなんてわからないかもしれない。誰が書いても、似たような文章になるからです。だけど、取材原稿だけではなく、ショートストーリーも書けるライターなら、例えばマンガの原作や、小説、ドラマの脚本も書けるかもしれない、と思ってもらうことができます。

 

取材原稿だけど、おもしろいストーリーが書ける。事実をもとにしているけれど、娯楽としておもしろい。そういうコンテンツをつくりたいというご依頼もお待ちしております。