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「ももたろう」を結論からいうと

先日、原稿を書くお仕事について、こんなご注文がありました。

「文章を起承転結で書いてほしい」

 

私が書く文章はたいてい、ビジネス雑誌などに掲載されるものが多いので、「起承転結」というよりも「三段構成=序論、本論、結論」または「PREP法=Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)」を使っています。でも、学校の国語の時間などでは文章の構成を「起承転結」とだけ教えられることが多いかもしれません。

 

ではここで、「起承転結とPREP法の違い」を昔話「ももたろう」を例にお話しましょう。

 

「ももたろう」といえば……。

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。(中略)桃を切ってみると、男の子が生まれました……。

という始まりですね。これが起承転結の「起承」の部分です。

 

これをPREP法で、つまり結論からいうと……。

ももたろうという男の子が鬼ヶ島に鬼退治に行きました。ももたろうというのは、おばあさんが川へ洗濯に行ったときに拾ってきた桃から生まれた男の子です…。

というようになります。

 

昔話や映画なら起承転結でもいいのですが、忙しいビジネスの世界でこれをやられたら、時間がいくらあっても足りませんね。だから例えば、ニュース番組なども結論から伝えます。短時間で必要なことを伝えなくてはならないので、起承転結ではなく、結論から伝えて、理由や詳細は後なんです。

 

どちらが良いとか悪いとかではなくて、伝える状況によって、構成は変化するということです。物語のように雰囲気や余韻を伝えるなど、時間や文字数がたっぷりあるなら起承転結、短く伝えたい場合は三段構成やPREP法という感じでしょうかね。