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マネでもいいから、やってみよう!

私は今でこそ、フリーのライターとしてひとりで原稿を書いていますが、原稿というものを書き始めた頃(もう20年以上前!)は、よく上司から怒られていました。

 

ニュースの原稿だったのに、原稿を1本書くのにとても時間がかかっていたんです。

 

テレビニュースは時間との勝負です。その日の午前10時に起こったことを午前11時45分のニュース番組に間に合うように原稿を書く、ということが日常茶飯事でした。

 

その時に上司から言われたのが「あまり表現にこだわりすぎるな」ということです。

 

当時、私は原稿を書く仕事に就けたことがうれしかったので、「私にしか書けない文章を書こう」と、一生懸命に考えて原稿を書いていました。

 

でもね、それって、ニュースには必要のないことなんです。だって、ニュースは事実を伝えればいいから。「私のオリジナル」は必要ありません。

 

ただし、取材する局の原稿として放送されるので、局のやり方はあります。だから私は、急いで原稿を書き上げなければならない時、先輩が書いた似たような原稿を参考にして、自分が取材した部分を入れ込むことにしました。

 

つまり「マネ」ですね。

 

それを繰り返しているうちに、いつの間にか「自分なりの原稿の形」みたいなものができて、先輩の原稿を見なくても、速く書けるようになりました。

 

今考えると、これって、原稿だけではなく、いろんなことに言えると思うんですよね。「自分のオリジナルにしなきゃ」と考えて、考えて、考えすぎて、結局、時間だけが過ぎていく。仕事はちっとも進まない…。

 

それよりも、誰かのマネでもいいから、とにかくやってみること。

 

やっていくうちに、「自分なりのやり方」というものが見つかると思います。