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ビジネス文章は「情報」を集めたもの

以前、とある企業の若手社員向けに、プレゼンテーションの研修講師を務めたときのことです。受講生のひとりが「考えをまとめるのが苦手」という悩みを抱えていました。

 

 

ビジネスで文章を書く時には、素敵なボキャブラリーを使って、いいことを書く必要はありません。小説やエッセイではないのですから。

 

伝えたいことを、「客観的に、わかりやすく、具体的に」書けばいいので、「文章を書く」のではなく、「情報をまとめる」と考えればいいと思います。

 

まず、「誰に対して、何を伝えるのか」を決めましょう。「文章が書けない」という人は、「誰に対して、何を伝えるのか」ということがぼんやりしたまま、書き始める人が多いです。だから、途中で何を書いているのかわからなくなって、まとめられなくなるんですね。

 

たとえば、「新たにオープンした飲食店」について、同業者さん向けに文章を書くことにします。同業者が知りたい内容はいろいろありますよね。それをとにかく「集める」のです。

 

いきなり文章を書き始めるのではなく、「そのためには、どんな情報が必要か」を考えて、その必要な情報を集めます。「情報」ですから、この時点では文章にする必要はありません。箇条書きでもいいし、図や写真でもOKです。

 

そして、集めた情報を「分類」します。立地、外装や内装、メニュー、価格、客層、オーナーやスタッフはどんな人か、などなど。

 

次に、分類した情報をどの順番で書けば伝わりやすいかを考えます。いわば「構成」ですね。ここで初めて「文章を書く」という作業が登場するのです。

 

構成のポイントは、「結論やキーワードを先に」「トリの目線からアリの目線へ」

 

この例の場合、新たにオープンした飲食店にはどんな特徴があるのか、まず最初にキーワードで書きます。たとえば、「本格的な日本料理をリーズナブルな価格で!」みたいな感じですかね。

 

それから立地、外装、内装、メニュー、料理、素材、価格…というように、「トリ目線」から「アリ目線」、つまり外側から内側へ、大枠から詳細へ、という順番で書きます。 

 

「文章が苦手」という人は「何か上手い言い方を考えなきゃ」と思っていることがあります。でも、文章は「情報の寄せ集め」です。「情報を集めて、構成する」というプロセスを経ることが当たり前だと思えるように、ブログなどで練習するといいかもしれませんね。