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情報の価値は受け手が決める

私はライターなので、いろんな方に会って、いろんなお話を聞きます。

 

いろんなお話の中でも、「良かったこと」は、一歩間違えば自慢話にしかなりませんが、「悪かったこと」や「苦労したこと」は、聞いている人の共感を生みます。

 

ツラかった時の話って、そう簡単に誰にでも話せることじゃないですよね。でも、普段は人には言わないようなツライ体験や、自分しか体験したことのないようなことだからこそ、「他の人に響く」っていうことがあるんです。

 

だから、私はあえてそういうお話を聞いて、できる限り原稿に書きます。取材ライターって、書く力よりも、そういうお話を引き出せるかどうかが、大事な力だと思います。

 

また、取材中によくあるのが、ご本人にとっては当たり前のことでも、私にとっては、もしくは読者にとっては、とてもおもしろい、特別なお話しだったりする、ということです。

 

私が取材対象となる方に質問すると「いや~、たいした話じゃないんだけど…」と話し始めてくれたことが、妙におもしろい、っていうことがあるんですよ。

 

つまりこれは、「情報の価値は受け手が決める」ということだと思うんですね。

 

アナタが取るに足らないことと思っている情報や、ツラいから話したくないと思っている情報も、他人にとってはとても聞きたい価値ある情報だったりします。逆に、アナタが「これは話したい」と思っていることが、他人にとってはどうでもいい情報だったりすることもあるかもしれません。

 

もし、自分のことや自社のことを、改めて伝える機会があるのなら、自分の中だけで悶々と考えるだけではなく、誰かに話してみることをおすすめします。意外なことで「お~。それ、おもしろいじゃん!」と言ってもらえるかもしれませんよ。