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インタビューは誘導するけど尋問しない

先日、とある会社のお客さまにオンラインでインタビューを行いました。

 

その会社の広報担当者さんがインタビューに同席したのですが、後にその方から「うまくお客さまを誘導しながら質問していて、とても勉強になりました」と感謝のメールをいただきました。うれしかったので、ブログに残そうと思って、この文章を書き始めました。

 

そういえば以前、飲み屋で隣り合った常連さんから「マスコミのインタビューって、誘導尋問ですよね?」と聞かれたことがあります。

 

もちろん、インタビューは誘導尋問ではありません。ここで、そもそもの意味を確認してみましょう。

 

「インタビュー」

報道記者などが取材のために人と会って話を聞くこと。また、その記事。

 

「尋問」

1 問いただすこと。取り調べとして口頭で質問すること。

2 訴訟において、裁判所または当事者が証人などに対して質問を発し、強制的に返答させること。

<いずれもデジタル大辞泉より>

 

辞書にあるように、インタビューは人と会って話を聞くことなのですが、「その人に会って、どんなことを聞くのか」という目的がハッキリしています。だから、相手の方にいろんな角度から質問をして、最終的に目的のことが聞けるように「誘導」はします。

 

でも、相手から「言葉を引き出す」ために質問をするだけなので、問いただすのとは違います。つまり「尋問」ではありません。誘導尋問は、言ってみれば上から目線で、相手を問い詰めるようなものですからね。

 

もし、マスコミのインタビューに誘導尋問というイメージがあるなら、それは週刊誌やワイドショーの見過ぎだと思います。

 

週刊誌やワイドショーなど、ゴシップをメインにしているメディアがやっているのは、確かに誘導尋問に近いです。例えば、「あなたは不倫をしましたよね?」「え…あ、あの…申し訳ありません」というように、相手にムリヤリ答えさせるゴリゴリな取材をするからです。

 

一方で、マトモなメディアの場合は、取材相手の話をきちんと聴きます。なぜなら、取材相手ならではの言葉を引き出すことが大事だからです。

 

インタビューといえば、野球のヒーローインタビューがわかりやすいと思います。ヒーローインタビューといえば「あの時、どんな気持ちでしたか?」ですよね。やった、やらないという二者択一ではなくて、あの時の気持ちという「内面」を聞くのがインタビューです。

 

インタビューは、相手から「その人ならではの言葉」を引き出すこと。だから、問い詰めるような聞き方はできないんですよ。たとえその日しか会わない人であっても、信頼関係が大事だと、私は思っています。