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「方言」は大事な道具

この写真は今年1月、兵庫県明石市へ取材にうかがったときに撮ったものです。JR舞子駅という駅から、明石海峡大橋がとてもきれいに見えました。

 

どうやら、今年は関西にご縁があるようで、先日のオンライン取材も大阪在住の方とお話をしました。

 

私は関西の方の話し方が、なんていうか親しみを込めた感じがして好きなので、取材をしているうちにイントネーションがうつったりします。

 

たとえば「そうですよね~」の言い方が、標準語では前半の「そう」にアクセントがあって、語尾が下がる感じですが、関西の場合は「そうです」までが平板で、「よね~」と語尾が上がります。

 

私は地方の言葉って、とても豊かだと思っています。

 

山形生まれで、学生時代から30代までを沖縄で過ごした私は、山形弁、沖縄訛り、標準語の3つの言葉を使い分けているんですよ(笑)。東京で仕事をしている時は標準語、山形や沖縄へ帰った時は、それぞれの地域の言葉でしゃべるんです。

 

東京の人と話す時は、ほとんど方言を使う必要はなのですが、「喋ってみて」と言われることがあります。そういう時、私は

「んだて、山形弁しゃべったって、わがんねべ~」(だって、山形弁でしゃべっても、わからないでしょう)と思い切り訛って話します。

 

すると、たいていはその場にいる人たちが大笑いするんです。マジメな仕事の場では、笑わないまでも、場が和む。初対面の人たちが集まった場を和ませることを「アイスブレイク」といいますが、方言は最高のアイスブレーカーだと思います。このアイスブレーカーは、地方での取材や、地方出身者の方にインタビューする際にも有効なんです。

 

たとえば、私が以前、仕事でお世話になっていた方が茨城県出身の方で、「やまがだの人はなまってるよね~」と、思い切り訛って言われたことがあります。北関東と南東北の言葉はよく似ているので、茨城や栃木に取材に行った時にこの話をすると、「わかります~!」と笑っていただけて、すぐに打ち解けてもらえます。

 

中学や高校の頃は、「方言なんてカッコ悪い」と思っていたこともありました。東京出身の人は、いつでもどこでも標準語でカッコいいなぁ、って。社会人になってからも「仕事をする際には標準語で話すべきだ」と思っていたこともあります。

 

けれど今、方言は私にとって、大事な道具になりました。地方出身者だからこそ持っている、この大事な道具を、これからもっと活用していこう、と思っているんですよ。「方言でナレーションしてほしい」っていうニーズ、あるといいなぁ。