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写真も動画も文章も「全体とアップ」を

買い物に行く途中で、かわいい黄色の花が咲いているのを見かけました。葉っぱと花の形から、おそらくカタバミの一種だと思います。

この季節は、つい桜に目がいきがちですが、こういう道ばたの花もいいですよね。

 

ところで、この花、ちょっとかわったところにあると思いませんか?

そう。実は、塀のすき間から生えている、いわゆる「ど根性」なカタバミなのです。

 

こういうのを見ると、植物って強いなぁ、と思います。

 

ですが、私が今回、この花のことをブログに書こうと思ったのは、この花のかわいらしさや強さのことではありません。

 

冒頭に掲載した1枚目の写真と、2枚目の写真を見比べてほしいのです。

 

1枚目の写真は、花をメインに撮ったので、花や葉っぱの形がわかると思います。

2枚目の写真は、花や葉っぱの形はわかりにくいですが、花がどんなところに咲いているのかがわかると思います。

 

2枚の写真があるから、なんの説明もなくとも「ああ、塀から生えてる花なのね」ということがわかり、この花が「ど根性カタバミ」であることがわかります。

 

塀から生えているかわいい花があったからといって、花だけにフォーカスしてしまったら、この状況が伝わりにくくなります。よくあるのが、1枚目の写真だけを撮って誰かに見せて「本当に、塀から生えてたんだってば!」と力説(?)するというパターンですね。

 

こういう状況に出会ったとき、「誰かに伝えたい」と思ったら、必ず「全体」と「アップ」を撮っておきましょう。全体が入るような写真を「ひき」、アップの写真を「より」といいます。この花の例でいうと、1枚目が「より」で、2枚目が「ひき」ですね。

 

 こういう撮り方は、動画のときも同じです。動画の場合は、まず全体が入るような場所から撮って、被写体に近づいていき、アップを撮ります。その逆も撮っておくと、後で編集するときに便利です。アップを撮ってから、カメラを被写体に向けたまま後ろに下がって、全体を撮ります。

 

「誰かに何かを伝えたい」と思っても、写真も動画も文章も、私たちは一部を切り取って伝えることしかできません。でも、切り取り方によっては、ものすごく伝わりやすくなります。そういう「伝わりやすい伝え方」を覚えておくといいと思いますよ。