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言葉には「普段の自分」が出ます

大手外食チェーンの要職にある人の失言が話題になっています。いわゆる「大炎上」です。

 

その失言そのものをここで書くのはひかえますが、落語家さんや芸人さんの中には「しゃぶしゃぶの間違いじゃない?」「生醤油って言いたかったんだよ、きっと」という反応がありました。時事をすぐに笑いにかえられるあたり、さすがだなぁ、と思います。

 

そういう、うまい言い換えができる人なら、今回の失言もそんなに問題視はされなかったかもしれませんね。

 

私はビジネス誌などの原稿も書くので、取材で経営者の方にお会いすることがあります。中には、結構「べらんめぇ」な口調の方もいるので、言葉づかいが荒いなぁ、と思うこともあります。

 

でも、それは「ここだけの話」です。私が取材に行く場合、たいていはその経営者ご本人のみか、広報担当者の方がいるくらい。しかも、私は映像メディアではなくて、雑誌などの取材でうかがうことが多いので、たとえその場で経営者の方が「失言」をしたとしても、その言葉が表に出ることはまずありません。「書かないでね」「うまく言い換えておいてね」と言っていただければいいだけです。

 

でも、これが今回の「失言問題」のように講演会だったり、何かの記者会見などという場合には、全く状況が異なります。発言する企業の側は「1」ですが、聞いている側が「多数」で、いろんな人が聞いていますから、「ここだけの話ね」というわけにはいきません。

 

そういう、いわば公の場所で、ましてや大手企業の方が言葉づかいに気をつけるべきなのは、言うまでもないでしょう。

 

今や「公の場」というのは、リアルな場に限らず、オンライン会議やSNSも「公の場」です。そういう場所で、どんな言葉づかいが相応しいのか。言葉には「普段の自分」が出るので、ある程度地位のある方は、普段から気をつけた方がいいと思いますよ。