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アイデアと人脈を生むリアル店舗

本も、洋服も、リアル店舗で買うのが好きだ。理由は2つある。

 

1つは、商品を届けられても、家にいないことが多いから。夜も週末も出かけていることが多いので、通販で買い物をすると、ほとんどコンビニに届けてもらっている。

 

2つ目に、リアル店舗に行くと、検索では出てこない楽しみに出会えるから。偶然の出会い、いわゆる「セレンディピティ」を体験できるのは、リアル店舗ならではの楽しみだと思う。

 

そして、究極のセレンディピティに出会えるのが「飲み屋」というリアル店舗だと、私は思っている。

 

最近は「オンラインサロン」というウェブ上のコミュニティもあるらしいが、私は人と人との出会いはリアルに限ると思う。だって、コミュニケーションって「五感」だからね。

 

私がよく行く飲み屋は、近所のワインバルと渋谷にある日本酒居酒屋だ。いずれにもカウンターがあり、オープンキッチンで、私は料理や酒を作ったり盛り付けたりする様子を眺めながら、ぼーっとすることがよくある。

 

ぼーっとするだけではなく、夜な夜なカウンターに集まってくる常連さんたちとおしゃべりするのが、もうひとつの楽しみだ。

 

ワインバルも居酒屋も、最も多いお客はサラリーマンである。私はフリーランスなので、普段はサラリーマンと会うことがない。逆に常連さんたちは、私のようなフリーランスに会うことは少ないと思う。だから、お互いに「へぇ~。そうなんですか」の連続である。

 

単に「へぇ~。そうなんですか」と言い合うのではなく、そこには何かしらの共通点を見出そうとする「空気感」のようなものがある。その空気感は、おそらく同じ空間にいて、文字通り同じ「空気」を吸っているからだと思う。

 

中には「きっと、この人と仕事で会ったら、ちょっと苦手なんだろうな…」と思う人もいないことはない。けれど、お酒が入っていることと、その場の空気感で、なんとなく穏やかにしゃべることができる。そういう「歩み寄り」のようなことができるのも、リアル店舗の良さだ。

 

実は今夜は、いつものワインバルやいつもの居酒屋ではない飲み屋に行くことになっている。その店の店主も、とてもユニークな方なのだ。今夜はどんなセレンディピティが待っているのだろうか。思いもよらない化学反応のようなセレンディピティを期待している。