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40歳で失業!その後の仕事さがし

 

先日、大企業に勤務する飲み友だちから「同僚がそれまでのポストを外されて、転職せざるを得なくなった」という話を聞きました。

 

私が今、「ピンチはチャンス」というテーマで自分の体験を書こうと思ったのは、そういう時代だから、という理由があります。(※今回もちょっと長文です)

 

グローバル化やAIの進化などによって、大企業では40代以上のリストラが報道されています。これからも、この影響によって、転職または失業する40代以上が増えていくでしょう。

 

人手不足といわれる昨今ですが、大企業が求めているのは若い働き手であって、40代以上は再び大企業に再就職できるかというと、そうではないと思います。

 

私は、大企業に勤務した経験はありません。でも、小さな会社に勤務していても、組織は組織。組織の中で働いていた人が突然、仕事を失う時の気持ちはわかります。

 

それは、私自身がそういう経験をしたからです。

 

2011年3月の東日本大震災当時、私は東京都内の飲食店に勤務していました。ご存知のように、震災後は東京でもあらゆることが「自粛」という雰囲気になり、飲食店では閑古鳥が鳴いていました。私が勤務していた店も例外ではなく、売上が激減した店から、私はヒマを出されました。つまり、クビです。

 

当時の私は「とにかく、どこかの会社に就職しなければ」と思っていたので、ハローワークに通ったり、インターネットで転職情報を検索したり、人材会社に登録したりして、必死になって再就職先を探しました。けれど、震災後の不況などによって、なかなか再就職先は見つかりませんでした。

 

大きな壁になったのは、年齢です。この時、私は40歳を目前にした39歳でした。転職する時には「35歳以下が有利」とよく言われます。履歴書を送っても、年齢が理由で書類選考が通らない、ということをハローワークや人材会社の担当者からよく言われました。

 

さらに、私の特殊な職務経歴(放送局→広告代理店→イベント会社→飲食店)も、書類選考が通らないという理由でした。

 

多くの企業では、事務職や営業職を求めています。それは、震災後も同じでした。けれど私の職務経歴書には、一見すると「事務職」も「営業職」もありません。つまり、いずれも「未経験」です。以上で終わり。だから書類選考は通らないのです。

 

 

 

再就職先を探すときには、どうしても「給料は?」「待遇は?」ということを考えがちです。でも私は、前述のように書類選考がまったく通らなかったので、そんなことを言っている場合ではなくなりました。

 

ちょうどそれは、大学生の時に就職活動をして、これまでの自分について履歴書に書き、自己PRを考え、面接をいくつも受けてもダメな時と同じです。「自分が全否定されている」ような気になってきます。

 

困り果てた私は、正直、自暴自棄になりました。それまでもいろいろ挫折は経験してきたけれど、とうとう「もうダメかもしれない…」と考えるようになりました。

 

それでも、生きていかなくてはなりません。生きていくには、仕事をして稼がなくてはなりません。私が仕事を失ったのは東日本大震災の直後でしたから、「震災ですべてを失くした人だって、がんばっている。東京にいて、住むところも食べるものもある私が、何を言ってるんだ」と考え直しました。

 

そして、改めて「自分には何ができるんだろう?」と、自分で自分の「棚卸し」をしたんです。

 

「職務経歴はコレですが、○○ができます!」というしかありません。自分が「○○会社に所属していた」というのではなく、その会社で何をして、どんな能力を身に付けたのか。それを棚卸しすることにしたのです。例えば、こんな感じで。

 

■放送局→ニュースの取材・原稿執筆・生中継、企画ニュースの企画・構成など

■広告代理店→クライアントからのヒアリング、広告やイベントの企画・制作など

■イベント会社→イベントの企画・運営、イベント会場の設営・撤去、イベントスタッフの教育、イベントの司会など

■飲食店→店頭での接客、スタッフの教育、店舗売上の管理、販売促進の企画など

 

そして、ハローワークや人材会社に頼らず、これらをツイッターに投稿し始めました。「取材して原稿書けます!お仕事募集中!」「週末イベントのお手伝いできます!」

 

すると少しずつ、仕事の依頼が来るようになったのです!!!

 

こうして私は、どこかの会社に所属することを考えず、フリーランスで仕事をすることになりました。

 

以前、大好きだった沖縄から東京に出てくることにしたのも、自ら望んだというよりも「仕方なく」という感じでした。(これについては「まさかの契約終了!その時の決断」というブログに書いています。よろしければ)

 

大企業に勤務している人たちは、かなり給料もボーナスももらっていると思うので、転職する際にも給料や待遇は考えると思います。40代で大企業勤務なら、養わなければならない家族がいるはずですから、それは大きな条件のひとつでしょう。

 

けれど、企業側の条件を探すその前に、「自分に何ができるのか」という棚卸しをすることをおすすめします。

 

私は「どこかの会社に所属しなければ」という思い込みによって、ハローワークや人材会社に頼り、書類選考に落ちまくって、自己否定されたようになり、どんどん疲弊していきました。

 

あの時、先に「自分に何ができるのか」ということから仕事さがしを始めていれば、あんなに疲弊なくとも済んだと思います。

 

今は、どこかの会社に所属しなくとも、仕事ができる時代です。そして私がフリーランスになった8年前よりももっと、フリーで仕事がしやすくなっています。

 

フリーで仕事をすることをすすめるわけではありません。どこかの会社に再就職するとしても「自分に何ができるのか」ということを、客観的に書き出す。それはリストラ後の人生に大きな自信と気づきを与えてくれると思います。